- 2010年1月〜2010年7月: 他のルートサーバにDURZを順次導入
状況を確認しながらL-root以外の他のルートサーバに、順次DURZを導入していきます。ここまでの手順によりDURZがすべてのルートサーバに導入されます(*3)。
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(*3)2009年12月15日(米国時間)、ルートゾーンへのDNSSEC導入に関する公式サイトが公開されました(関連URIを参照)。公式サイトには、各ルートサーバへのDURZの導入予定スケジュールが掲載されています。
- 2010年1月11日週 L-root
- 2010年2月 8日週 A-root
- 2010年3月 1日週 M-root、I-root
- 2010年3月22日週 D-root、K-root、E-root
- 2010年4月12日週 B-root、H-root、C-root、G-root、F-root
- 2010年5月 3日週 J-root
- 2010年7月: DURZを正規の署名データに差し換え
導入されたDURZを正規の署名データに差し換えます。同時に、キャッシュDNSサーバにインストールするためのルートゾーンのトラストアンカー(公開鍵)が公開され、ルートゾーンにおけるDNSSECが正式稼動します。
DURZを導入する理由
このように今回のDNSSEC導入では、DURZの導入というやや複雑な手順が採用されています。ではなぜ、このような方法が採用されたのでしょうか。
その理由は、もし最初から正規の署名データをルートゾーンに導入した場合、「DNSSECの有効化」と「応答サイズの増大」という二つの大きな変更、すなわち実際のインターネットに大きな影響を与える可能性のある大きな変更を、同時に導入してしまうことを回避するためです。
今回デザインチームが採用した導入方法では、まずDURZをルートサーバに段階的に導入していくことにより「応答サイズの増大」による悪影響がないことを検証し、それが完了した後にDURZを正規の署名データに差し替えることで「DNSSECの有効化」を行う、という手順を取ることにより、二つの変更を同時に導入することを回避しています。
なお、もし各段階の作業により万一、インターネット上で何らかの問題が発生した場合には、前段階への速やかな設定切り戻しと問題の調査・対応が行われることになっています。
ハッシュアルゴリズムの違いに注意
現在、DNSSEC検証の際に使用されているハッシュアルゴリズムであるSHA-1は、セキュリティの強度的に不十分であると言われており、2010年以降、電子署名のハッシュアルゴリズムとしてSHA-1の使用を停止するよう、米国政府から勧告されています(*4)。
このような背景からデザインチームでは、ルートゾーンへのDNSSEC導入の際に使用するハッシュアルゴリズムとして、次世代のハッシュアルゴリズムであるSHA-2の一つである、SHA-256の使用を表明しています。
DNSSECでは、暗号アルゴリズムとハッシュアルゴリズムの組み合わせを一つのアルゴリズム番号で定義していることから、新しいハッシュアルゴリズムを導入するためのプロトコル拡張(「RSASHA256」と「RSASHA512」のアルゴリズム番号の追加)が必要になりました。そして、このプロトコル拡張は、2009年10月に発行されたRFC 5702で定義されました。
現時点でRFC 5702をサポートしているDNSサーバの実装は、最新のUnbound1.4.0と、現在リリース候補版が公開されているBIND 9.7以降のバージョンになります。
なお、BIND 9の現在のリリース版であるBIND 9.6.1-P2ではRFC 5702はサポートされておらず、SHA-2が使用されているゾーンに対するDNSSEC検証ができないため、キャッシュDNSサーバを運用する場合には注意が必要です。
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- (*4)「暗号の2010年問題」と呼ばれています。
2010年は「DNSSEC導入元年」に
デザインチームは今後のDNSSEC導入作業について「過程と手順をインターネットコミュニティに対しでき得る限り公開し、透明に進める」と表明しています。また現在デザインチームでは、ルートゾーンにおいて実際に使用する鍵(KSKとZSK)の管理ポリシーについての草案(関連URIを参照)を公開しており、コメントや提言を受け付けています。
ルートゾーンへのDNSSEC導入が完了することで、DNSSEC導入における大きな障壁の一つとなっている「ルートゾーンにDNSSECが導入されていないこと」が解決し、DNSSECの世界的な普及に向けた活動が活発化していくことになります。2010年は2009年以上にDNSSECが注目され、かつ実際に利用される年となることでしょう。
関連URI
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